長女美優（みゆ）は3歳で幼稚園の年少。
最近「やっぱり、女の子だなぁ」と感じることが多くなってきた。

例えば、洋服を着させようとすれば、「ピンクじゃなきゃヤダ〜」と選り好みしてみたり、さらには、部屋にある小さな袋を持って「美優、今から、お買い物行ってきま〜す」など、長男雄二郎の時には目にしなかった場面だ。


この程度のことなら、「美優チャンも女の子ね」で済む話なのだが、困ってしまうのは、妻のアクセサリー類を勝手に持ち出して、適当に身につけ、飽きたら「おもちゃ箱」にポイっとしてしまうことだ。
「急いでいる時は、本当に困る！」と、その都度、妻はプンプンだ。

さて、美優の″女子力″はこの程度で収まらない。
ある朝、美優が、妻の化粧道具を何やらゴソゴソ。取り出したのは化粧パフ。
脇で黙って見ていると、普段、妻が鏡の前でやっているように3歳の美優がパフでほっぺたをパタパタ。挙句に「パパ！カワイイ？」と聞いて来る始末。
「美優チャン、まだ化粧するには早いんじゃないかな。『女子力アップ』にいそしむのは20年先でもいいと思うよ。」